クレーム対応の基本

クレーム対応の基本

クレーム対応の経験をふまえて、クレーム対応の基礎を示します。クレームには基本的な対処方法があります。どのパターンのクレームでも、まずおさえるべきところをおさえておきましょう。

1.クレームを起こさない為に、日頃からしておくべき対策

まずクレームが起きないように日頃から対策をしておきましょう。この普段からの対策が出来ているか否かでクレームの発生度は大きく変わってきます。

 

スタッフにルールを周知させる

クレームの原因でまず多いのはスタッフのミスから発生するクレームです。スタッフのミスがある場合は完全に店舗側の非になるので、場合によっては解決が非常に困難になります。これを避けるために日頃からスタッフ全員にルールや手順を周知させておきましょう。これは日頃の教育がものを言います。

 

スタッフがある程度は自分自身でクレーム対応できるように教育しておく

次に大切なのは、もしクレームが発生した場合、ある程度は自分自身の力でクレーム対応できる能力です。これは入社して3カ月のアルバイトでもです。ある程度対応の仕方を教育しておきましょう。でないと、何か問題が起きるたびに社員や上司が対応しなければならなくなるからです。

 

クレームが1人では対処できない場合の連絡ルートの周知

スタッフが1人で対応できなくなり上司を呼ぶ場合、社員や上の者を出せと言われた場合、誰が窓口になり、どこに知らせるかをあらかじめきちんと決めておきましょう。この連絡ルートを明確にしておかないと、相手を無駄に待たせることになりクレームを悪化させる原因になるからです。また、そもそも店舗では対応できないようなクレームもあります。その場合のコールセンターの番号もスタッフに周知させておきましょう。

 

店長や社員は様々なケースを想定しシフトを組んでおく

店長や社員はシフトを組む際にクレーム対応できるように組みましょう。たとえば新人スタッフが入っている場合、ベテランを必ずつけるといった風にです。忙しい時はクレームが起こりがちなので忙しくなりそうな日は人員を確保しておきましょう。この準備がクレームを未然に防ぎます。

 

店長より上にクレームが行く場合も想定しておく

店長より上にまでクレームがのぼる場合もケースとして考えておきましょう。その場合の対応はエリアマネージャーだったり部長だったり、企業によって異なると思います。誰が対応するのかルートを明確にしておきましょう。もちろん店長までで解決できるのが望ましいです。しかし昨今ではすぐ「エリアマネージャーを呼べ」と言う人もいるので、すぐに店舗を越えるケースがありえるという意識をもっておきましょう。

 

最寄りの警察に挨拶しておく

最寄りの警察署、交番に日頃から挨拶しておきましょう。これは非常に重要です。特にたちの悪い酔っ払いや、怒りが収まらず怒鳴り続けているようなクレームの場合、警察官に来てもらうのが有効になります。日頃から挨拶しておき、いざ力を借りる際にスムーズにいくようにしておきましょう。

 

クレームが起きない店舗作りをしておく

例えばよく言われるのが「元気よく挨拶が出来ない店舗はクレームが多い」ということです。これは実際にあります。「元気よく挨拶する」というのはその迫力で相手のクレームを事前に防ぐという意味合いがあるからです。声が小さいと「クレームを言いやすい」という意識を芽生えさせます。声を出してクレームをしにくい環境にしておきましょう。

 

また店内の清掃も大切です。清掃が行き届いてない、商品が乱雑であるといった目に見えて悪い部分があると「クレームをつけやすい店舗だ」と見られるからです。日頃から清掃をしておき、商品をきちんと並べておくのは、あらかじめクレームを防ぐ為でもあるのです。

 

2.クレーム発生時の初期対応

クレームが発生した場合、初期対応を誤るとクレームを悪化させる原因となります。初期対応の基礎をおさえておきましょう。

 

最初に「気分を害したこと」に関しては「謝罪する」

まず最初の段階で、「気分を害したこと」に関しては謝罪をしましょう。時々、簡単に頭を下げるべきではないという意見も見ますが、基本的には最初に「怒らせたこと」に関しては「申し訳ございませんでした」というほうが良いです。多くのクレームの場合、店員からの最初の謝罪の一言があるだけでほぼ解決するからです。

 

たまに「自分達が悪いと認めたのだから、こちら側の要求を必ずのめ」とつっかかってくる人もいますが、出来ないことに関しては「それは出来ません」と言って構いません。「気分を害したことに関しては申し訳なく思いますが、その要求をのむことは出来ません」と言っても矛盾はないからです。

 

何に対してのクレームなのか相手の言い分を必ず聞き、クレームの内容を理解する

次に大切なのは、相手の言い分を聞くことです。相手が何に対して怒っているのか、クレームの原因は何なのか、どういう順序でクレームとなるに至ったのか、必ず把握しましょう。

 

オウム返しをする

この時のポイントは、相手の言ったことに対して「○○に関して××だと思われた、ということですね」「□□をしたけれども△△にならない、どういうことか!ということですね」というように相手の言っていることをそのままオウム返しするようにしましょう。そうするとクレームを入れる側も「こちらの言うこと、怒っている内容を理解している」と思うからです。

 

順を追って「相手が言いたいこと」を引き出す

時々、何に対して怒っているかよく分からないクレームもあります。そういう際も順を追って、相手が何を言いたいかを引き出しましょう。単純に言葉がうまく出ない人もいるからです。この「クレームの内容の理解」というのもクレーム初期段階ですごく重要になります。相手が何に対して怒りを感じているのか理解しておかないとクレームがより大きくなるからです。

 

電話の場合はメモをとる

特に電話でのクレーム対応時に「相手の話を聞くこと」というのは非常に重要になります。表情が見えず電話越しに話している内容だけで判断しなければならないからです。電話対応の場合は基本的にメモをとるようにしましょう。

 

対処できる内容に関してはその場ですぐに対処する

その場で対処できることはしておきましょう。スタッフが変に面倒くさがって他の人に回さないように教育しておきましょう。特に日が浅いスタッフだとすぐ逃げてしまう人もいます。逃げずにきちんと相手と向き合って対応できるようにしましょう。対応の早さはクレーム処理の第一歩です。

 必ず冷静に対応する

特に初期段階で重要なのは冷静さです。気持ちがあせると相手をイライラさせてしまいます。深呼吸して落ち着いて冷静に対応するよう心がけましょう。

 

表情、姿勢、口調の早さ、声のトーンを意識する

表情や姿勢、口調や声のトーンはとても重要です。この相手の話を聞く時の態度、姿勢で相手に悪い印象を与えるとクレームは著しく大きくなるからです。

 

表情はニュートラルにする

まず表情はニュートラルにしましょう。必要以上に深刻な顔をしたり、ニヤニヤしたりしないようにしましょう。表情で相手の怒りが増すことがあるからです。

 

姿勢を正し、手を前に組む

対面の場合、姿勢を正してまっすぐに相手と向き合いましょう。話を聞く場合の姿勢は手を前に組み、利き手をもう片方の手でおおうようにしましょう。これは「自分が攻撃する意思はない」ということを相手に示す為です。

 

相手が聞きとれる早さでしゃべる

そして特に電話対応で重要になりますが、早口でしゃべらないようにしましょう。こちらが早口でしゃべると相手が聞き取れずに「何を言っているんだ?」と怒りを増幅させる原因となるからです。聞きとりやすい早さでしゃべるようにしましょう。

 

声のトーンを高めに出す

声のトーンは高めに出しましょう。低い声だとそれだけで暗く悪い印象を与えるからです。特に電話の際は声のトーンを高めにしておかないと何を言っているのか相手が聞きとれない場合があります。必ず声のトーンを高めに出す習慣をつけておきましょう。

 

3.クレームが大きくなりそうな時の対処方法

クレームが大きくなりそうな場合、長引きそうな場合は知恵と経験、発想の転換や臨機応変な対応が必要になってきます。また、仲間や上司部下との連携がとても重要になってきます。

 

いくつか提案をして相手に「選択肢」を示す

クレームが大きくなりそうな場合、まず肝心なのは「ではこちらの案ではどうでしょう」といったように相手に選択肢を示すことです。「相手が納得できるであろう提案」をいくつか出来るようにしましょう。この「選択肢がある」ということを示せるとクレームはおさまる傾向があります。相手の心に「自分は選択肢がある」という意識が生まれ、気持ちに余裕が出来て、怒りがおさまる方向に行くからです。

 

1人での対応が長引きそうな場合、横にもう1人ついて一緒に話を聞く

1人でクレーム対応していて長引きそうな場合、必ず誰かが横について一緒に話を聞くようにしましょう。これは日頃の連携がものを言います。新人でもベテランであってもこれは重要です。

 

例えばXというスタッフがクレームを受けて、そのクレームへの対応方法が分からず困っていたとします。この時、となりにいたYというスタッフが対応方法を知っていてすぐ解決出来る場合があるのです。1人でダメなら2人でという意識を日頃から持っておきましょう。これは上司もアルバイトもです。クレームを言う側も「2人聞いてくれている」と思うと「きちんと自分の言い分を聞いてくれている」という意識が芽生えて怒りが収まる方向にいくからです。

 次の展開を予想し、スタッフに指示を出しておく

ケースバイケースですが、クレームが大きくなりそうな場合は、次の展開を予想して、早め早めに先手をうっておきましょう。たとえば必要なものがあればスタッフにすぐとりに行ってもらう、上司へ連絡が必要になる場合はメモや連絡先を用意しておく等です。次の一手への対応が早ければ早いほどクレームは収束しやすくなります。

 

過度な要求に対しては「出来ない」とはっきり言う

過度な要求をされた場合ははっきりと「それは出来ません」と言いましょう。過度であると判断出来る場合は全く問題ありません。「なんで出来ないんだ!」と怒鳴られ平行線になることもあります。しかし、それは仕方ありません。あくまでも店舗には店舗のルールがあります。たとえこちら側に非がある場合でも、何でもかんでも要求をのむことは出来ないのです。

 

4.クレームが大きくなった場合の対応方法

クレームが大きくなった場合、収束させるのが困難になってきます。ですが、慌てずに冷静に次の一手を考えて行動するようにしましょう。

 クレームが店舗を超えて上に行く場合、まず何が起きたのかを順序立てて正しく報告する

クレームが店舗を超えてエリアマネージャーなど更に上の立場まで行く場合、何が起きたのかを順序だてて報告するようにしましょう。この段階で一旦問題を整理するのが大切です。報告がきちんと出来るか否かもクレームを収束させるのに重要なポイントとなります。

 

クレームが日をまたぐ場合は戦略を練り、解決手順を計画立てておく

クレームが日をまたぐということは、ある意味準備期間が出来るということでもあります。あらかじめ上司や同僚などと相談して、次回どのように対応するか計画を練っておきましょう。解決の手順を作り、当日即座に対応できるようにしておきましょう。

 

悪質なクレーム、自店舗のみで判断しかねるようなクレームは警察に相談する

時には悪質なクレームや、自店のみでは判断しかねるようなクレームもあります。この場合は、臆せずに警察に相談しましょう。警察官が仲介してくれることで収束に向かうケースも時々あるからです。

 

5.クレームの解決、終焉時のポイント ピンチをチャンスに

クレームは収束して解決したらそれで終わりではありません。クレーム解決時もポイントがあります。

 

名刺を渡して顧客になってもらう

怒りがおさまりクレームが解決したら相手に自分の名刺を渡しましょう。これにより「きちんと対応してくれた」という印象を与えることができ、クレームを言っていた人が次回以降良い顧客になるのです。このパターンは実は非常に多くあります。

 

クレームを言う人というのはそれだけ言いたいことがある人=店舗に関心を持ってくれている人なのです。だから、きちんと対応し解決したら、次回以降ヘビーユーザーになってくれる確率が非常に高いです。名刺を渡して「次回もお待ちしております」と言いましょう。

 別の店をオススメする

もう一つは逆のパターンです。「今後は当店をご利用されないほうがいいかと思います」とはっきり言ってしまうパターンです。相手の要求を通せなかった場合は、これを言ったほうが相手の為にもなります。「あなたの要求はうちの店舗では過度な要求の扱いになるので他の店舗を利用したほうがいいですよ」と示すのです。

 

これは決して失礼な行為ではありません。他の店舗という選択肢を提示しているからです。「二度と来るか!」とか「本社に電話かけてやる!」と捨て台詞を吐かれる場合もありますが、明らかに過剰な要求や過度なクレームに対しては、時にはこういった対応も必要となるでしょう。

手土産を持っていく

クレーム対応で客先に行く場合、手土産を持っていくだけでコロッと態度が変わるお客さんが多いのは事実です。

 

おすすめはとらやの羊かんで、賞味期限も長く、たくさんの人に食べてもらえるので使い勝手が良いです。特にクレーム対応の客先が会社である場合はぜひ持っていきましょう。

 

6.クレームが起きた原因を追及、検証、再発防止へ

最後に重要なのは検証です。なぜ今回のクレームが起きたか原因を追及しましょう。この時、スタッフの個人攻撃にならないように気をつけましょう。「君の対応が悪いからクレームになったんだ」というべき時もあります。ただ、基本的にはクレームというのはどんなに丁寧な接客をしていても起こりえます。

 

なので、「こういう対応が原因でクレームになった」「こういう置き方をしていたのがクレームの元になった」というようにクレーム対応に直接関わっていないスタッフにも分かるように悪かったところを示し、改善項目を挙げていきましょう。クレームから学び、再発防止のための対策をすぐにとっていきましょう。大事なのはすぐに改善することです。改善が遅いとまた同様のクレームを呼ぶことになるからです。

 

当サイトでクレーム対応の基本について学び、実務に生かしてください。

 

以下のコンテンツも参考にしてください。

クレーム対応体験談

主にレンタルビデオ店で勤務していた時に対応したクレーム対応について書いています。実際の体験談をもとにクレーム対応のポイントを解説しています。

電話・メールでのクレーム対応

電話・メールでのクレーム対応の基本について書いています。

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